園管理団体は、国または都道府県知事からの指定を受け、公園内の登山道等施設の補修、風景地保護協定に基づく自然風景地の保護管理、公園利用者への情報提供などを行う公益法人、NPO法人等の民間団体です。

公園管理団体の指定制度は、民間団体や市民の積極的な参加により地域に密着した公園管理を推進するため、2002(平成14)年の自然公園法改正により創設されました。

上信越高原国立公園の公園管理団体

[ロゴ] 浅間山麓国際自然学校

NPO法人 浅間山麓国際自然学校

指定年月日: 2008(平成20)年3月11日(NPO法人初)
関連ページ:

2012(平成24)年6月23日に鹿沢インフォメーションセンターで、NPO法人浅間山麓国際自然学校代表理事の橋詰元良氏が、公園管理団体の役割や湯の丸高原風景地保護協定について講演を行いました(平成24年度日本山岳協会自然保護常任委員研修会から)。

原とは標高が高く、開けた地形を言います。標高が高く、谷が発達した地形は高地と呼ぶことがあります。

高原はおおむね標高600m以上のところにあります。

地形

なお、高原は気候が冷涼で、避暑地やスキー場としての利用が盛んなことから、リゾート地[1]の名称として使われることがあります。北海道に高原と呼ばれるところが少ないのは、平野部でも気候が冷涼であることが関係していると考えられます。

このように、高原は地形を指す場合と、地名を指す場合があります。

[1] リゾート地:リゾート(resort)とは、大勢の人が休暇・余暇を過ごす場所のこと。行楽地。多様な余暇活動が楽しめる場を整備することを目的に、1987(昭和62)年、総合保養地域整備法(リゾート法)が制定されている。

高原の種類

山麓高原
山地の山麓部にある高原。
例)浅間高原 志賀高原 ほか国内の多くの高原
山間高原
まわりを山地に囲まれた高原。
例)コロラド高原 チベット高原
卓上高原
まわりを低地に囲まれ、テーブル状に広がる高原。
例)デカン高原

高原の利用

夏秋キャベツ日本一の生産量を誇る嬬恋村のキャベツ畑
夏秋キャベツ日本一の生産量を誇る嬬恋村のキャベツ畑

原は標高が高く、夏でも涼しいことから、こうした気候を利用したキャベツ、レタス、白菜などの高原野菜の栽培がさかんです。 高原で野菜を育てると、ゆっくりと育つため、他の地域で栽培されたものが出まわらない時期に野菜を出荷することができます。これを抑制栽培といいます。

また、高原は避暑地やスキー場などのリゾート地として利用され、大規模な開発が行われることがあります。

火山と温泉が集まる高原のリゾート地
上信越高原国立公園
上信越高原国立公園マップ
指定年月日 1949(昭和24)年9月7日
面積 148,072ha
関係都道府県 群馬県 長野県 新潟県
地勢 山麓高原 火山群 温泉群 豪雪地帯(北部)
動物 ニホンカモシカ ツキノワグマ イヌワシ ミヤマシロチョウ
植物 レンゲツツジ群落(鹿沢) 高山湿原植物(苗場山) シャクナゲ群落(草津白根)

馬・長野・新潟の3県にまたがる上信越高原国立公園は、1949(昭和24)年9月7日に指定されました。地勢は浅間山(2568m)・草津白根山(2160m)などの活火山を擁し、山麓高原が発達しています。高層湿原を観察できる志賀高原、自然湧出量日本一の草津温泉、避暑地として人気のある軽井沢などの自然を抱えています。

かつては大阪府とほぼ同じ面積を持つ、本州最大の国立公園でしたが、2015(平成27)年3月に妙高・戸隠地域が新しい国立公園として独立し、現在に至っています。

火山の交差点

山前線の屈折点に位置する上信越地域は、火山が密集したところです。

火山の交差点

公園内には、活火山[1]である浅間山や草津白根山のほか、 四阿山 あずまやさん(2354m)、 烏帽子 えぼし岳(2066m)、 鳥甲山 とりかぶとやま(2038m)などが展開しています。

谷川岳
険しい表情を見せる谷川連峰

これらの火山のほかに、日本三大岩壁に数えられる谷川連峰も見られます。谷川連峰は造山運動によって隆起したもので、起伏に富んだ複雑な地形をしています。

[1] 活火山:おおむね過去1万年以内に噴火した火山及び現在活発な噴気活動のある火山。2016(平成28)年6月現在、全国に110の活火山がある。

2つの気候帯が出合う中央分水嶺

分水嶺

越国境から浅間山にかけての山稜は日本の中央分水嶺にあたります。分水嶺とは雨水が異なる方向へ流れる境界のことで、そのうち、雨水を異なる海域へ分けるものを中央分水嶺と呼んでいます。空から降ってきた雨は、この中央分水嶺を境に一方は太平洋へ、他方は日本海へ流れていきます。

中央分水嶺を境に気候も変わります。太平洋側は夏に雨が多く、冬に乾燥するのに対し、日本海側は年間を通して湿度が高く、冬に多くの雪が積もります。2つの異なる気候帯が接することで、この地域では多様な生き物の生息環境が保たれています。

然は私たちに深い感動や安らぎをもたらすものです。国立公園は、こうしたかけがえのない自然をまもり、分かち合い、後世に伝えていくところです。国立公園には様々なきまりがあり、大勢の人たちが活動しています。

自然公園の種類

然公園とは、自然公園法に基づき自然の風景地を保護し、野外レクリエーションなどを楽しむことができるように指定された公園のことです。

自然公園には国立公園国定公園都道府県立自然公園の3種類があります。

自然公園
国立公園 国定公園 都道府県立公園
指定 都道府県
管理 都道府県 都道府県
箇所数 32 56 309
指定対象 日本を代表する自然の大風景地 国立公園に準ずる自然の風景地 都道府県を代表する自然の風景地

※箇所数は2015年現在

国立公園を支える人たち

本の国立公園は土地すべてを公園専用とすることが難しいため、土地所有にかかわらず公園を指定できる地域制自然公園制度を採用しています。このため国立公園には多くの私有地が含まれていて、そこで暮らす人や働く人がいます。国立公園の管理は人々の暮らしや産業と調整しながら進められ、その風景地の保護と利用は様々な人たちの協力によって支えられています。

鹿沢広域図

鹿沢(かざわ)は群馬県の西端に位置し、周囲を浅間山や湯ノ丸山、四阿山あずまやさんなどの火山に囲まれた山麓の高原です。

気候は中央高地式気候[1]に区分され、年間を通じて気温は冷涼で、降水量は少なく、やや乾燥したところです。日照時間が長いため、様々な草原性の草花が育つ鹿沢は、「花の高原」とも呼ばれています。

[1] 中央高地式気候:周囲を標高の高い山に囲まれた内陸性の気候で、梅雨の時期を除いて降水量は少なく、湿度は低い。夏に盆地ではフェーン現象の影響を受け気温が上がり、冬は放射冷却現象によって朝晩の冷え込みが強くなる。

国指定天然記念物 湯の丸高原レンゲツツジ群落

湯の丸高原のレンゲツツジ群落

ノ丸山(2101m)の旧鹿沢温泉側山腹斜面にあるレンゲツツジ群落は、6月中旬から7月上旬にかけて花を咲かせ、一帯を朱に染め上げます。その数はおよそ60万株を数え、国内有数の規模として1956(昭和31)年5月15日に国の天然記念物[2]に指定されました。

レンゲツツジは酸性で貧栄養の火山灰土を好みます。 湯の丸高原は、周辺にある火山活動の影響で、地表に火山灰土が堆積していて、レンゲツツジの生育に好適な環境になっています。 他の植物が育ちにくいところに生え、色鮮やかな花を咲かせるレンゲツツジは、火山が作り出す環境に適応した植物と言えます。

[2] 天然記念物:文化財のうち、動物,植物および地質鉱物で学術上価値の高いもので、文化財保護法や各地方自治体の文化財保護条例に基づき指定されたもの。

歌い継がれる愛唱歌 ━━ 雪山讃歌発祥の地 ━━

西堀栄三郎
西堀栄三郎(1903-1989)

よ岩よ われらが宿り── という歌い出しで知られる日本の有名な山の歌「雪山讃歌」。 雪山への素朴な思いを歌い上げたこの歌は、鹿沢にある一軒の温泉宿で生まれました。

この雪山讃歌はアメリカ民謡「いとしのクレメンタイン(Oh My Darling Clementine)」に日本語の詞をつけたものです。 作詞をしたのは西堀栄三郎(1903-1989)氏。 京都帝国大学の山岳部員だった西堀氏は、1927(昭和2)年1月、仲間と共に群馬県吾妻郡嬬恋つまごい村の鹿沢温泉に来ていました。 折しも天気がくずれて吹雪となり、一行は宿から身動きがとれなくなりました。 時間を持て余した一行は、退屈しのぎに山岳部の歌を作ることにしました。 曲は当時仲間内で愛唱されていた「いとしのクレメンタイン」が選ばれ、みんなで持ち寄った言葉を即興的に当てはめていったのです。

雪山讃歌の碑

こうしてできた「雪山讃歌」は、雪山登山の生活と心情が簡潔にまとめられ、快活なマーチのリズムと相まって、次第に多くの人たちに親しまれるようになりました。

作詞者の西堀栄三郎氏は、その後、第一次南極地域観測隊[3]の越冬隊長となり、1956(昭和31)年11月、隊員と樺太犬のタロとジロとともに南極へ渡ります。

鹿沢温泉には、「雪山讃歌」発祥の地を記念して、1971(昭和46)年、西堀氏直筆の台字による「雪山讃歌」の碑が建てられました。

[3] 南極地域観測隊(日本):南極大陸の天文・気象・地質・生物の観測を行うために日本が南極に派遣する調査隊の名称。昭和基地を拠点に、オーロラの観測や厚い氷床の掘削、鉱物の調査や隕石の発見、動植物の調査など、幅広い活動をしている。夏の約3ヶ月間観測を行う夏隊と、1年を通して観測を行う越冬隊がある。