インフォメーションセンター前にあるヤドリギ
センターの前にあるヤドリギ
インフォメーションセンターの入口にあるミズナラの枝にヤドリギがくっついています。 名前の通り、木に宿って育つ植物です。

ヤドリギは形の整った丸い茂みを作り、冬になるとそれが遠目にもよく目立つようになります。 年が明けると、門松などの松飾りをあちこちで目にしますが、西洋では冬にヤドリギを飾る習慣があります。

西洋の人たちにとって、このヤドリギはおめでたい植物で、玄関に飾ると恋が実る、首から下げると病気が治る、という言い伝えがあります。

ヤドリギは日本各地に広く分布する半寄生性の植物で、エノキ・ブナ・ミズナラ・クリなどの木に着生して育ちます。 果実は秋に黄色く熟し、キレンジャクやヒレンジャクが好んで食べに来ます。 種はねばねばしたものに包まれていて、果実を食べた鳥が木の上で糞をすると、種が木にくっつく仕組みになっています。

その後、種は木の中に根を伸ばし、そこから水と栄養をもらいながら育ちます。 葉は常緑で冬でも落ちることがなく、整った丸い形をした茂みは、あらゆる方向からの光を受け止めることができます。

こんなふうにヤドリギは、強靭でたくましい性質を備えています。 北欧神話では、ヤドリギは何者も傷つけることができなかった光の神バルドルを刺し貫く矢として描かれています。

ミズナラの冬芽
ミズナラの冬芽

ところで、ときどき一つの木にたくさんのヤドリギがくっついていることがあります。 しかし、それによってその木が枯れてしまうことはめったにありません。 かつてヤドリギは木の病気のようなものだと考えられてきました。 ところが調べてみると、ヤドリギには多くの鳥類が集まってきて、その実を食べたり、そこに巣を作ったりすることが判ってきました。

ヤドリギは、木の病気というよりも、むしろ生物多様性に良い効果をもたらし、森林の多くの動物たちに食料と住み家を提供しているのです。 ヤドリギは強靭でたくましいだけでなく、共生の上手な植物でもあると言えるでしょう。 そのヤドリギが持つ力にあやかろうとして、こんな言い伝えや神話が生まれたのかもしれません。

新しい年を迎えるにあたり、このヤドリギのようにたくましく、すこやかな一年であるようにと願います。 鹿沢インフォメーションセンターは、これからも自然の中にあるこうした豊かさを支える仕組みに目を向け、それを分かりやすく、丁寧に伝えてまいります。