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小串硫黄鉱山跡

群馬県嬬恋村の北端、長野県との県境にある毛無峠は、その近くにある破風岳(1999m)の名が示す通り、よく強い風の吹く所です。辺り一帯にはガンコウラン、シラタマノキなどが張り付くように生育する礫地の斜面が広がっています。

――ここは、本州の極地である。
この部落を過ぎて路は無い――

小説家太宰治(1909-1948)は、津軽半島最北端の竜飛岬を訪れ、小説『津軽』のなかでそう書き記しました。竜飛岬が本州の極地ならば、毛無峠は上州の極地と言える場所です。

この毛無峠に立つと、眼下に小串硫黄鉱山跡を一望することができます。ここにはかつて、硫黄を採掘する人たちのまちがあり、2100人もの人々が暮らしていま した。学校や診療所が建てられ、商店や集会所、浴場などもありました。しかし今、まちは廃墟と化し、そこに住む人は誰もいません。

世界遺産のマチュピチュ遺跡

この様子から、小串硫黄鉱山は、しばしばアンデス山麓にあるペルーの古代都市遺跡マチュピチュのイメージにも重なり、「消えた天空のまち」と呼ばれます。

マチュピチュ遺跡の標高は2340m。これに対して小串硫黄鉱山跡の標高は1600mほどです。

鉱山跡周辺の植生を観察すると、前述の矮小低木類が主体で、コメツガやシラビソなどの高木がほとんど生えていません。このため、鉱山跡周辺の雰囲気は、実際の標高以上の高度感があります。このように亜高山帯でありながら、高山帯に似た景観を持つ地帯のことを偽高山帯といいます。偽高山帯の成立要因には、強風・多雪・急峻な地形・土壌鉱物の影響などが考えられています。

(F)

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