ハルザキヤマガラシという植物をご存知ですか? ハルザキヤマガラシはヨーロッパ原産の帰化植物で、日本各地に広く分布し、春に菜の花に似た黄色い花を咲かせます。 繁殖力が旺盛で、在来種を駆逐する可能性があるため、外来生物法で要注意外来生物に指定されています。

ハルザキヤマガラシ

県道沿いに繁殖するハルザキヤマガラシ
県道沿いに繁殖するハルザキヤマガラシ
  • 別名:セイヨウヤマガラシ、フユガラシ
  • 学名:Barbarea vulgaris
  • 科名:アブラナ科
  • 自然分布域:ヨーロッパ
  • 生育地:畑地、水田、荒地、路傍、河岸
  • 特徴:越年草または短命な多年草。日当たりのよい湿った肥沃地を好む。葉は切れ込みがあり、茎の高さは20~90cm。食用になるが辛味が強い。根生葉(ロゼット)を形成して越冬する。春に黄色の4枚花弁の花が茎の上にかたまって咲く。

そのハルザキヤマガラシの防除作業が5月24日に行われました。作業は午前9時から正午まで県道94号線沿いを中心に行われ、環境省長野自然環境事務所、鹿沢万座パークボランティアの会、群馬県環境森林部自然環境課、鹿沢温泉観光協会、浅間山麓国際自然学校、鹿沢インフォメーションセンターから計17名が参加しました。

地道で根気のいる作業が続きます
地道で根気のいる作業が続きます

手を使って一本一本ハルザキヤマガラシを引き抜いていくので、地道で根気のいる作業です。協力して作業した結果、軽トラック2杯分のハルザキヤマガラシを除去することができました。

せっかく引き抜いたハルザキヤマガラシですが、おそらく来年もまた生えてくることでしょう。人や自動車の移動に伴って、種子もまた運ばれてくるからです。

軽トラック2杯分が除去できました
軽トラック2杯分が除去できました

ハルザキヤマガラシはヨーロッパから運ばれてきましたが、逆に日本から海外へ進出した植物もあります。タデ科のイタドリはそのひとつで、現在イギリスで猛威をふるっています。国際自然保護連合(IUCN)はイタドリを「世界の侵略的外来種ワースト100」に選んでいます。

交通や流通手段が発達するにしたがって、こうした外来種にまつわる問題もまた増えてきました。 加えて外来種には天敵が不在の場合もあり、それが爆発的に繁殖する一因にもなっています。

こうした外来種問題を根本的に解決するには、人や物の移動を大きく制限することが必要でしょう。 しかしそれは現実的には難しいことです。 そうであるならば、人間がそれらの外来種の天敵を演じ、生態系のバランスを図っていくことが、現実的な対処法と言えるのではないでしょうか。