園地のあちこちにきのこが顔を出しています。
鮮やかな赤い色をしたきのこはタマゴタケ(テングタケ科・食)です。傘には条線があり、ひだと柄は黄色をしています。毒きのこのベニデングダケと似ていますが、食べられます。 とはいえ、テングタケ科のきのこは毒を持つものが多いので、食用に際しては十分な注意が必要です。
名前 | 傘 | ひだ | 柄 |
---|---|---|---|
ベニテングタケ | 条線がある。表面に白いいぼ状の破片がある | 白色 | 白色 |
タマゴタケモドキ | 条線がない。黄土色 | 白色 | 淡黄色 |
タマゴテングタケモドキ | 条線がある。灰褐色 | 白色 | 白色 |
ミズナラの幹に、ヒメカタショウロ(ニセショウロ科・毒)がくっついていました。 ヒメカタショウロはまんじゅうのような形をしています。 しかも、半分に切ってみると、中には黒いあんこのようなものまであります。 美味しそうで、つい手が伸びてしまいそうですが、残念ながら、これは食べられない毒まんじゅうです。
こんなふうに、きのこの色や形は実に様々です。 私たちがきのこと呼んでいるものは、菌類が作る子実体のことで、植物の花に相当する器官です。 倒木や枯れ草、動物の遺体などの有機物は、きのこや微生物によって分解され、やがて土になります。
木にはリグニンという物質が多く含まれていますが、大半の微生物はこのリグニンをうまく分解することができません。ところが、きのこはこのリグニンの分解を得意としています。
きのこは、役目を終えた木をかたずけてくれる、森の掃除屋なんですね。
こうして分解されてできた土から、再び植物が育ち、それを食べる動物や私たちがいます。 きのこは生態系の物質循環を維持するうえで、大きな役割を果たしているのです。