根開き
根開き

冬が終わりに近づく頃、雑木林の中を歩いていると、木の根本だけ雪が融けて丸く穴が開いたようになっている様子を見かけます。 この現象は「根開き」とか「根回り穴」などと呼ばれています。

なぜ、木の周りにはこんな穴ができるのでしょうか? 木が春の訪れを感じて盛んに水を吸い上げるからでしょうか? どうやらそうではありません。この穴は枯れている木にもできるからです。

枯れた木にも根開きはできる
枯れた木にも根開きはできる

根開きができる理由はいくつかあります。 まず一つは雪と木では光の反射率が異なることが挙げられます。 白いものは光をよく反射しますが、黒いものは逆に光を吸収します。 木は雪よりも黒っぽいため、日光を吸収して表面が温かくなります。 もう一つは木の根本は樹冠の陰になっていて、周りよりも積もっている雪の量がもともと少ないことがあります。 そのほか、水分が幹を伝わって根周りの雪を融かしたり、幹の周りに出来る風の流れなども関係しています。

こんなふうにいくつもの要因が複雑に絡み合って、この根開きはできているのです。