園地に紫と白のアヤメ、黄のキショウブが咲いています。 アヤメは英語でアイリス(iris)と言いますが、これは虹を意味するギリシャ語イリスから来ています。
イリスはギリシャ神話のなかで、ゼウスに仕える侍女として登場します。
美しいイリスはゼウスに何度も求愛されますが、 イリスは困ってそこから逃れたいと思いました。
すると彼女の前に虹の橋があらわれました。 ゼウスの妻、ヘラはイリスに言いました。
「行きなさい。あなたは神々と人間の仲立ちとなるのです」
それを聞いたイリスは、虹の橋を渡って地上へと降りていきました。
こうして虹は天と地を行き来する架け橋となり、イリスは虹の女神となりました。
植物の中には複数の花色を持つものがありますが、たいていは2、3色です。 ところが、アヤメの仲間は紫・白・黄のほか、桃・赤・橙・青など多彩な色の花を咲かせます。 そのため、アヤメの仲間はしばしば「虹の花」と呼ばれます。
アヤメの持つ虹のような美しさにふと目を留めてみる・・・そんな瞬間に、人と自然をつなぐ架け橋はあるのかもしれません。
(F)