バッコヤナギの葉の裏に白くて丸いものがくっついています。一見すると実のようですが、これはバッコヤナギハウラケタマフシと呼ばれる虫こぶ(虫えい)です。
虫こぶとは、虫などの寄生によって、植物の一部がこぶ状に変化したものです。
バッ コヤナギハウラケタマフシの中は空洞になっていて、中には1匹のコブハバチの幼虫がいます。
幼虫は虫こぶの内側を食べて成長し、やがて穴を開けて外へ出て きます。その後、地面にもぐって越冬し、翌年の春に羽化して成虫になります。成虫は6月ごろ、バッコヤナギの葉の裏に産卵します。
虫こぶにはタンニン(渋)が含まれ、古くはお歯黒やインク、皮なめしなどに利用されてきました。
虫の種類ごとに寄生する植物は決まっていて、虫こぶにはいろいろな形をしたものがあります。この時期、注意して樹木の葉などを観察すると、おもしろい形をした虫こぶに出会えるかもしれません。
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