本日の予想最高気温は26℃。真っ青な晴天に心地よい風が吹き抜けております。いよいよ、暖かい日は半袖一枚でも活動出来る気候になってきました!
さて今回は、先日、インフォメーションセンターそばのいこいの広場で行われた郷土料理「くろこ」の試食会についての話題です。
「くろこ」と聞いてピンと来る方は相当な嬬恋マニアです♪嬬恋村は冷涼な高原の気候を生かしたジャガイモの生産が盛んなところです。「くろこ」はジャガイモから澱粉を取った搾り滓を凍結、発酵を繰り返し行い天日 で乾燥させ長期保存できるようにした高機能な発酵健康食品で、日本ではこの嬬恋村でしか食べられていない珍しい食べ物です。
この乾燥させた「くろこ」の食べ方は、基本的には再度水に戻してペースト状にしたものを味噌とネギで味付けし油で揚げて調理したものですが、この日はペースト状にした「くろこ」をクレープ生地に混ぜたり、クッキーに混ぜたりと様々「くろこ」料理を味わうことが出来ました。
モチモチとした食感が特徴で米粉などより強いモチモチ感が得られました。癖になる食感です。
このジャガイモの搾り滓には良質なタンパク質や食物繊維などがふんだんに含まれており、さらにこの滓を微生物の力で発酵させ消化吸収されやすいものにしているので身体にとってとてもよい成分が沢山含まれています。
主なタンパク質としてペクチンとリグニンという物質があります。ペクチンという物質は、整腸作用、解毒作用、ミネラルの吸着、脾臓分泌亢進など、リグニンには、胆汁酸の吸着作用がありコレステロール代謝に良い影響があります。また、豊富に含まれる食物繊維は排便作用、整腸作用にとても優れています。このことから、大腸がん予防、コレステロールや血圧の上昇抑制機能、お腹の調子を整えてくれる整腸作用などが期待できるとのことです。
エコロジーの面から見ても「くろこ」はとても優れた食品です。まず、本来捨てられるはずの搾り滓を再利用していること、そして、製造の過程で必要とするエネルギーは全て自然エネルギーだということです。なおかつ、常温で長期保存が可能。
太陽の光と冷たい空気、そして微生物の力によって生まれる超自然派食品、それが「くろこ」です。
社会の持続可能性が注目される昨今ですが、先人の知恵の奥深さと物を大切にする心意気に大きな可能性を感じました。
(H)