木々の緑は色濃く茂り、すっかり初夏の装いです。
園地のレンゲツツジは花の盛りを過ぎて、若葉が出始めました。よく見るとそこに、黄色と黒の模様がある虫がいます。ヒョウモンエダシャク(シャクガ科)という蛾の幼虫です。蛾の多くは夜行性ですが、本種は昼行性で、やや薄暗いところに生息しています。
ヒョウモンエダシャクなどシャクガ科の幼虫は、 毛虫やイモムシよりも細長い体をしていて、体を前後に伸ばしたり引きつけたりして移動します。このユーモラスな動きが、全身を使って長さを測っているように見えるので、シャクトリムシ(尺取り虫)とも呼ばれます。
幼虫はレンゲツツジなどツツジ科の植物の葉を食べて成長します。レンゲツツジには毒があるのですが、ヒョウモンエダシャクはこの毒を体に蓄え、 自分自身も毒を持つようになります。 これを毒化といいます。
ヒョウモンエダシャクは、鳥などの外敵から身を守るために、レンゲツツジの毒を利用しているのです。
幼虫には目を引く派手な黄色と黒の模様があります。 これは「自分は毒を持っているぞ」と周りに知らせるためのサインで、警戒色(警告色)と呼ばれるものです。
それにしてもこのヒョウモンエダシャク、なぜ自分は毒を食べても平気なんでしょうか? 不思議ですね。
(F)