9月13、14日に、今年2回目となる、湯の丸レンゲツツジ群落保護増殖ボランティア活動が行われました。 この活動は、住民・ボランティア・関係団体・行政などが一体となって、湯の丸レンゲツツジ群落の保全に取り組むことにより、環境教育の機会の整備・普及を目指すものです。
レンゲツツジ群落がある湯の丸高原周辺は、もともとは火山性の地質・地形の影響で木が生えにくいところだったようです。こうした立地を生かして、1904(明治37)年から牛馬が放牧されるようになりました。
レンゲツツジは牛馬にとって毒があるため、餌として食べられることなく残り、次第に数が増えていきました。
しかし、1960年以降の社会情勢や生活様式の変化に伴って、湯の丸高原に放牧される牛の数は減り、カラマツ、ズミ、ミネヤナギなどの樹木が茂りだしました。レンゲツツジは日陰に覆われて、花つきが悪くなったり、株が弱ったりするようになりました。
湯の丸レンゲツツジ群落は国の天然記念物に指定されているほか、観光資源として地域に大きな役割を果たしています。このため、地元の「湯の丸レンゲツツジ保存会」が中心となり、樹木を切ったり、やぶを刈り払うなどの手入れが始められました。
今回の活動に参加した一人は、
「こうした取り込みを続けていけば、レンゲツツジ群落の保全以外にも、希少な高山蝶の保護や、多様な草花が育つ環境を整えていくことにも役立つのではないか」
と話していました。
自分たちの住んでいる地域を良くしたい、という思いから始められたレンゲツツジ群落の保全活動。今ではさまざまな人たちがこの活動に参加していて、継続的な地域の取組みになっています。