鹿沢園地に現れたニホンカモシカ

雪に覆われた小さな湿原にニホンカモシカ(偶蹄目ウシ科)が現れました。30分以上も同じ場所にいて、とてものんびりとした様子で木の芽を食べていました。

ニホンカモシカは日本に住む在来種としては唯一のウシ科の動物です。全身は灰褐色のふさふさした毛に覆われ、顔の周りの毛は色が薄くなっています。そのため、まるで白いえり巻きをしているように見えます。日本の本州、四国、九州の標高500~2000mの山岳地帯に生息し、国の特別天然記念物に指定されています。

カモシカとシカの違い
  カモシカ シカ
社会 なわばりを持つ 群れを作り、移動する
食性 主に木の葉を食べる 主に草の葉(イネ科など)を食べる
雌雄とも小さい角がある 雄だけに角がある。角は枝分かれして大きく、生え変わる
繁殖力 低い 高い

ニホンカモシカは鹿沢では観察する機会の多い野生動物です。のんびりと穏やかな仕草で草をはみ、つぶらな瞳で人間をじっと見返すその姿は牧歌的で、自然の豊かな営みを感じさせてくれます。

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