紅葉シーズンを迎えた鹿沢に、若いイノシシ(偶蹄目イノシシ科)がやってきました。
このイノシシを初めて見たのは、10月9日のことでした。
笹の茂みから突然目の前に飛び出してきたイノシシは、とても警戒心が強く、 こちらをにらみつけたかと思うと、 「ブフッ!」と荒い鼻息を響かせてあっという間に走り去っていきました。
ところがこのイノシシ、ここが気に入ったらしく、居着いてしまいました。
日に日に警戒心が薄れて行動は大胆になり、人間が近寄っても逃げなくなりました。
そしてとうとう、
「このイノシシはここで飼っているのですか?」
と、訪れた方から尋ねられるほどになってしまいました。
このイノシシは、大きさから見て、今年の春早くに生まれたようです。
ほんの数日で、ここまで人に馴れたのは、イノシシにはもともと家畜としての素質があることに加え、 まだ子どもで、好奇心が旺盛であること、周辺に餌となるドングリが豊富にあることなどが関係したのかもしれません。
まだ若くて、人間との距離をうまく測れないこのイノシシですが、これから様々なことを経験し、学習を重ね、野生として生きていく力を身につけてほしいと願います。
イノシシと上手に付き合っていくために
イノシシに不用意に近づかないでください
イノシシはとても臆病ないきものです。 脅かすとパニックになり、思わぬ方向へ突進してきます。ときには、自分から障害物に激突して死んでしまうこともあります。 小さなイノシシでも、体当りされると大けがをする危険があります。
イノシシに餌となるものを与えないでください
イノシシは学習能力が高く、いったん人間の食べ物の味を覚えてしまうと、人間を襲って食べ物を奪おうとすることがあります。残飯は野外に捨てず、持ち帰る、決められた場所に捨てるなど、適切に処分してください。
(F)